お年寄りと遊ぶ!異世代間交流(心の教育)の試み

第四幕 お年寄りと遊ぶ!異世代間交流(心の教育)の試み

大阪での取り組み。

大阪での取り組み

平成8年、「ギルフォード知能教育センター大阪」の森田先生が中心となって始まりました。一年に一度「敬老の日」だけの ”福祉教育” ではなく、日常の保育の中で定期的に高齢者と園児が触れ合うジェネレーション・ケア(異世代間交流)は考えられないだろうかという教育観から、そのつなぎ役として、一緒に作って遊んで知能を刺激する事の出来る「知能工作」が選ばれたのです。

大阪の柏原市にある『久宝まぶね保育園』と特別養護老人ホーム『大阪好意の庭』のお年寄りが、毎週1回1時間ほど知能工作の ”You can do it あそび” で遊びます。もう、かれこれ22年も続いています。
亡くなられたお年寄りの机の中に、一緒に作った万華鏡が大事にしまってあったというお話もありました。寂しいけれど、どこかホッとする、”心の教育”です。

“大分での取り組み。

  • 異世代交流①
  • 異世代交流②

大分では「ももえだこどもえん」の園長 村上正典先生が中心となって、介護老人保健施設「豊西苑」では4才児、福島病院デイサービスでは5才児の2ヶ所で行われています。

まず、年度初めに苑と園の先生が打ち合わせをして、使用する教材や日時・時間を決めます。
当日、園児たちは園バスに乗り組み、「苑」に向かいます。
「苑」では、参加する利用者さんや介護士さん達が玄関に集まり、バスから降りる園児を大拍手で迎えます。園児は自分たちが喜んで迎えられている、それを肌で実感するのです。帰る時も同じように、みんなを玄関まで見送りに来て、「また来てね!」と言いながらバスを見送ります。

苑の職員のレポートに、「私たちは、普段は大きな音もたてず、静かに過ごしています。そんな中、保育園の子どもたちの遠慮ない元気な声が響き渡ると、不思議なことにうるさいと言うより、生きている、ありがたいと感じるのです。子どもたちが来るのを楽しみに待っているのは、お年寄りだけではありません。私たち職員も心待ちにしているのです。だから、自然にお出迎えをしてまた来てねと、お見送りするのです。」
このような積み重ねが、豊かな社会ではありませんか。「知能工作遊び」がお年寄りと子どもたちをつなぐ教材であること、そんな幼児教育の仲間がいることに、私は誇りに思っています。